維伝までの刀ステ考察

舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち DVD&Blu-ray発売おめでとうございます。

この記事は、舞台『刀剣乱舞』を解き明かすヒントになりそうな点を自分用にまとめたものです。考察ってほどでもないかも。果てしない長文!

刀ステ全シリーズ鑑賞した人向け。

時系列がバラバラなので読みづらさMAXです。

間違った考察もあると思いますが、正解は末満さんの頭の中にしかないので「んなわけないやろ!」と思ってもスルーしてもらえると助かります。

※出演者の名前は敬称略とさせていただきます。

 

 

■山姥切国広

「駄目だ…こんなことが…こんなことがあっては駄目なんだ!!」

「…主…逃げてくれ!ここで…あんたを失うわけにはいかないんだ!」

山伏が弥助に折られた時と、本丸襲撃された時のセリフ。見方を変えれば、山姥切にとって予定外の事態になってしまったともとれる。

まるで未来でも見てきたかのような物言いをしてしまう、体験していないのに知っている現象。

坂本龍馬「こんなところで死なせるわけにはいかんのじゃ」と同じ。この時の山姥切はすでに刀剣男士以外の何者かになってしまっているのかもしれない。

 

「お前たちはなんのために戦う?なぜ歴史を改変しようとする?どうして命をかけてまで俺たちと戦うんだ!?」

如伝のこのセリフは、今後時間遡行軍の正体を突き詰めていくうえでヒントになるかも。

 

慈伝では、悲伝ラストの『三日月VS多数の刀剣男士』のような構図で『山姥切VS多数の刀剣男士』の手合わせが行われる。

「俺たちは刀だ。刃以ちて語らおう」

慈伝で三日月のように振る舞う山姥切にはいったい何が起きているのだろうか。

 

 

鶴丸国永

「しかし、小鳥丸様は本丸に来てまだ日が浅いというのに、かなり腕が立つ」

「全ての刀剣の父である小鳥丸は、洒落にも通じていたか」

健人は様付け、染谷は呼び捨てで小鳥丸を呼ぶことから、二人は別個体だと考えられる。

「ここのところ出陣もご無沙汰だったんでな。体が鈍っていたところだ」

悲伝まで出陣していたはずの鶴丸は、維伝では出陣が久しぶりだと言う。

小鳥丸「子らに負けているのもよろしくないのでな。この父も強くなったというわけよ」

悲伝では顕現したてだった小鳥丸が維伝時には強くなっているのにも関わらず、だ。

維伝パンフの出陣表では、維伝の前に消された出陣があるので、そこで差がついたのかもしれないが…。

維伝の鶴丸は虚伝(初演)ぶりの出陣、という可能性もなきにしもあらず。

 

天だよ…せっかく生まれてきたんだ、俺はこの天ぐらいは驚かせてみたいな」

「この世は驚きに満ちている。俺はこの天すらも、驚かせてやるさ」

鶴丸の言う『天』とは何のことを指しているのか。物理的にいえば天には感情がないので驚くことはない。何かの比喩であると思われる。

天(=空)を見上げれば何があるのか、それは月と太陽である。月=三日月、太陽=山姥切を指す隠語なので、その二人を驚かせたい、という意味ととることができる。

「…人生には驚きが必要だ…俺はいつか、あの天をも驚かせたいと思っている。だが、もっと驚かせたいものがある…あんただ」

…義伝では、天とは別で三日月を驚かせたいと言っているので、違うかも?

 

 

■小鳥丸

小鳥丸は、他の刀剣男士に比べて随分この世界を達観しているように思える。

刀剣の父だからハイスペックなんだと言われればそれまでなのだが、何も理由はないのだろうか?

鶴丸「しかし、小鳥丸様は本丸に来てまだ日が浅いというのに、かなり腕が立つ」

悲伝の冒頭で手合わせをしていた小鳥丸は、顕現したばかりでも複数人を相手に勝つ。

三日月「おぬしがこの本丸に来てから、俺の肩の荷も少し下りた。礼を言うぞ」

事情を知らないはずの小鳥丸が三日月の助けになることができ、

「…あまり皆を悲しませるな」

「…なに、長くこの世に在るものの勘というやつよ」

勘だけで三日月を見抜くことができるだろうか。

結いの目でひとり時空の裂け目に飛び込んで山姥切を追ったり、維伝で岡田以蔵が人間ではないことにいち早く気付くのも小鳥丸である。

 

「放棄された世界…か。この謎を解き明かすことができれば、あるいは…」

 

「どうした陸奥守吉行…浮かぬ顔だが。朧の坂本龍馬を斬ったことを悔いておるのか?」「そうか。ならよい」

刀剣男士が、歴史を守ることに反した行動や考え方をしていないか、ということを小鳥丸は強く懸念している様子。陸奥守に確認する声のトーンの差が怖い。

 

 

■南海先生の時間軸解説

鶴丸「いつもなら、改変が及ぼされるところでそれを阻止する。だが、今回はなぜ歴史が改変された後なんだ?改変される前に飛んで、そこを守ればいいだろう」

小鳥丸「うむ、この父も気になっていたところだ」

南海「興味深い事例だ。可能性を考えるのであれば、既に歴史を守ることに失敗した時間軸であるのかもしれないね」

南海「時間とは、一定方向に流れていて本来ならば不可逆だ。それが僕たちでいうところの正史というものだ。時間遡行軍は、その時間軸のある地点に干渉することによって歴史を改変しようとしている。それは勿論、正史とは違うものだ」

小鳥丸「それを阻止し歴史を正史のままに保つのが我らの務めだ」

南海「もし阻止することができなかったら?」

鶴丸「同じ地点に何度でも繰り返し出陣すればいい。戦って勝つまでが出陣だ」

南海「なるほどね。だが、一度改変されて発生した別時間軸はどうなるのだろう」

鶴丸「改変を阻止することによって無かったことになる…というわけではなさそうだな

南海「勿論、無かったことになる場合もあるかもしれないが…そうでないものもあると考えるべきだろう。改変された歴史、それは正史に比べればとても不確かなものだ。しかしその時間軸をそのまま放っておけばどうなるか。正史に何らかの影響を及ぼさないと言い切れない」

小鳥丸「本来の時間軸から隔離せねばならぬ、か。」

鶴丸「なるほど、それが放棄された世界か」

刀剣男士が敗北し、改変された世界=放棄された世界

三日月はこの改変された世界に存在している??

南海「そういう形で放棄された世界が無数に存在している。そしてその数だけ時間遡行軍に敗れた刀剣男士がいるのかもしれん」

小鳥丸「ならばこの改変された文久土佐藩も…」

南海「ああ。あくまで推測の話ではあるけれど…かつてある地点に出陣し、敵に敗北した刀剣男士がいる、ということになるかな。それは…君たちとは別の本丸の刀剣男士なのかもしれない。彼らはかつて文久土佐に出陣し、歴史を守るために戦い、そして、時間遡行軍に敗れた」

鶴丸「その敗北によって生じたのがこの改変された文久土佐藩か」

南海「あくまで可能性の話だ」

小鳥丸「歴史を守るための戦い…その戦況はどうも旗色が悪いようよな。さて、まずはこの時間軸における、改変された歴史の軌道修正せねばなるまい」

隔離とは、この改変された歴史が正史に侵略しないようにすることである。

一度改変されてしまった世界は無かったことにできない。ならば、せめてその世界も正史と同じ歴史を辿るように軌道修正することで、正史には影響を及ぼさない=隔離することができる、となる。

 

ちなみに、南海先生の解説を踏まえてもさっぱり分からないのが悲伝である。

山姥切「もし三日月をこのまま放置すれば、俺たちの管轄する時間軸は破綻する」

小鳥丸「そうなれば、時の政府によってこの時間軸は閉鎖される」

小鳥丸「我らの時間軸など、無数にある糸のただ一本に過ぎぬということよ」

戯曲には

 ー空が剥がれ落ちていく。剥がれ落ちた空の向こうに、無数の別時空が迫ってくるー

小鳥丸「時空が崩壊をはじめたか」

長谷部「歴史が降ってくる…」

 ー時間の穴に落ちていく山姥切ー

とある。(この辺の意味が分かる人がいたら是非力を貸してほしい)

 

 

■維伝ラスト:鶴丸と小鳥丸

鶴丸「放棄された世界…ここでなら何か手掛かりが掴めると思ったんだがな」

鶴丸は時間遡行軍山姥切に会ってもなお、手掛かりを掴めなかったという。

となると鶴丸にとっての手掛かりは山姥切に関することではないように思える。

小鳥丸「ほう…鶴丸国永も我と同じことを考えていたか。あの者がいる円環もまた、すでに放棄された世界であるからな」

あの者=三日月だと断定はできないが、円環は放棄された世界だと言っている。つまり、南海先生の説明をもってくると

円環=刀剣男士が敗北して改変された世界

なのである。

仮に、あの者=三日月を指すのであれば、三日月が存在していた虚伝~悲伝は

改変された世界での話ということにならないだろうか。

鶴丸「あそこで何をしているか知らんが、いつか引っ張りだしてやる」

小鳥丸あの事があったせいであろうな。政府はあの者を瑕疵と判断した

あの事、とは三日月失踪の話だろうか。

瑕疵=欠陥・不具合がある、という意味なので、あの者=刀剣男士に悪影響を与えたり、歴史を守ることに支障をきたすような存在である、と読み取れる。

結いの目の三日月のことなのか、時間遡行軍となった山姥切のことなのか、あるいは…

小鳥丸「故に政府は、我ら主が率いる本丸を警戒しているのであろう。本来なら解体されても致し方無しだが、そうならないのは…」

鶴丸「俺たちの本丸にまだ利用価値があると踏んでいるんだろう。こんなまともな特命調査とも言えない任務によこすには、うちの本丸は都合が良いしな」

小鳥丸「主はそれすらも利用し、我らが本丸の刀剣男士を強くしようとなされている」

鶴丸「極のための旅だけでは事足りんか」

小鳥丸「期待には応えたいものよな。戦いにはまだ戦力が必要よ。鶴丸国永もそう考えているからこそ、この地で手掛かりを探していたのであろう。あの者を円環から連れ出すための手掛かりを」

直訳:鶴丸が 戦力のために(あの者を円環から連れ出す)手掛かりを探している??

本丸の主も、小鳥丸も、鶴丸も、時間遡行軍山姥切も、皆が強くなること…戦力を求めている。

一体なにと戦うために?

鶴丸「そんなんじゃない。俺はただ寂しいだけだ」

鶴丸いつも驚かされっぱなしだったからな。救い出したい。今度はこちらが驚かせる番だ」

いつも鶴丸を驚かせていたのは、三日月だろうか。

小鳥丸のいう『あの者』が誰かは分からないが、鶴丸は三日月を思い浮かべて話をしているようにも思える。

小鳥丸「ああ、きっと驚くであろう」

鶴丸「見ろよ小鳥丸。三日月だ」

 

南海「どうしたんだい、浮かぬ顔だが」

鶴丸「いや、なんでもない」

時間遡行軍山姥切と出会ったあと、鶴丸はそのことを打ち明けない。

あくまで手掛かり探しは個人プレイであって、本丸全体の共通目的ではないのか…。

 

 

■燭台切光忠

「僕にも、記憶の中にぽっかりと思い出せない空白がある」

「僕は時々忘れてしまったなにかと一緒に、大切なものを失ったような感覚になることがある」

大切なものとは三日月のことだろうか。

燭台切は一体何を忘れたのか?何度も繰り返した虚伝~悲伝の記憶なのか。

「…僕ももっと強くなりたいと思ってね」

「もっと強くだ。この戦いを終わらせるくらい強く、だね」

なぜ戦いを終わらせたいと思うのか?

守らなければならないもの、救わなければならない何かがあると燭台切は感じ取っているのではないのか。

強くなけば乗り越えられない未来を。

 

 

■宗三左文字

「またこの夢…どこまでもついてくる煩わしい夢…」

虚伝の冒頭で宗三がみる本能寺の変の夢は、森蘭丸を討ち取ったとされる安田国継が時間遡行軍に殺されたあとのシーンである。

つまり、生き残ってはいけない森蘭丸が歴史改変によって生き延びて、明智光秀と会話するという正史では起こりえない場面を宗三が夢見るのである。

これから起こる未来、即ち円環で体験した記憶を宗三は無意識に思い浮かべていると考えられる。

 

 

堀川国広

「この道、さっきも通らなかった?」

「ねえ、兼さん…この町、おかしくない?」

「まただ…!気持ち悪い。この町はなにかがおかしい。まるで、町が生きてるみたいだ!」

「この文久土佐に来てから、気になっていることがあるんです。ずっと誰かに見られてるみたいで…。まるでこの町が生きていて僕たちを見張っているような」

文久土佐の町がおかしいことを察知するのは堀川だけ

『見られている』ならば、見ているのは誰なのか?

龍馬によって作り出された町そのもの、なのか。それとも山姥切国広の目、なのか。

前者の場合、堀川だけが感知できる理由が説明できない。

後者の場合、同じ国広の兄弟刀だから、という理由なのかもしれない。

 

 

■骨喰藤四郎

山姥切「傷は大丈夫ですか?」「骨喰さんは少し休んでいてください」

序伝の冒頭の小屋で、初期刀である山姥切のから敬語”さん”付けをされる骨喰。

維伝パンフの顕現表でも、骨喰は比較的早く本丸にきた刀のはずなのに、このよそよそしさはどうも不自然である。

これ以外では山姥切が骨喰を呼ぶシーンがないため分からないが、序伝の時点で骨喰には何らかの事情がありそうだ。

 

さらに、骨喰は同田貫の呼び方が変わる

序伝冒頭の小屋のシーンでは、

「長谷部も正国も小夜左も過去がある」

と正国呼びだが、序伝後半になると

同田貫は一緒じゃないのか?」同田貫!」

同田貫呼びに変わるのである。

また会場替わりだった慈伝では『正国』と呼んでいる。

すべて北川の骨喰なので、別個体というには無理があるが…。

 

「以前出陣した時代で、夏に雪が降っていたことがあった」

悲伝冒頭に三津谷が言うこのセリフ、夏に雪が降ったのは如伝の話なので

三津谷も如伝に出陣していたことになる。

虚伝~悲伝間をループする過程で、北川も三津谷も如伝を経験したのだろうか。

(1ループ目は三津谷が経験し、どこかで折れて、2ループ目は北川が経験、とか)

 

「…俺は、旅に出ようと思うんだ」

悲伝のラストで修行の決意をする三津谷。大般若と小鳥丸に後押しされているにも関わらず、慈伝で北川が修行に出ていないのは不自然である。

(1振目の三津谷が極めたあと、どこかで折れて2振目の北川になり、修行しないまま慈伝につながった、なんてこともあるのかもしれない)

 

 

■義伝:一幕ラストシーン 

山姥切「…三日月…あんたは何者だ?」「…俺にはあんたの腹の底が見えない」

三日月「俺は明け透けに接しているつもりだが」

山姥切「あんたは俺たちを…本丸をどうしようとしているんだ?」

三日月「俺はただ…この本丸に強くあってほしいだけだ」

山姥切「なぜそう願う?」

三日月「…いずれ来るやもしれぬ、大きな試練と立ち向かうためにだ」

大きな試練=三日月失踪と推測(理由は後述)

三日月「山姥切国広…おぬしならきっと立ち向かえる」

山姥切「…俺たちはなにと戦っているんだ?」

三日月「…歴史を変えようとするものだ」

山姥切歴史修正主義者はなぜ歴史を改変しようとしている?俺たちはそれを守るために、どれだけ強くならなければならない?」

三日月「…山姥切よ。まだ焦る時ではない」

三日月「山姥切国広…きっとできるさ。おぬしなら、この本丸で起こるやもしれぬ試練にきっと立ち向かえる…過去ではなく、未来を…故にその時が来るまでは、俺は見守り続けよう」

三日月には、本丸を去るまでに山姥切を強くしなければいけない何らかの理由がある。

紅白戦で山姥切に斬りかかったり、月見酒をして諭したりする。近侍として成長できるよう多くのアドバイスをする。

山姥切を強くすることで、三日月は一体なにを成そうとしているのか…。

 

 

■悲伝:三日月VS山姥切

山姥切「…これが、悪い夢でも見ているのであればどれだけよかったか…なぜこんなことになったんだ?」

三日月「俺は…未来を繋げたいのだ」

山姥切「未来?」

三日月「そのために、気の遠くなる時間を円環の中で過ごしてきた。その度に、おぬしたちを悲しませてしまったな」

山姥切「…俺たちにできることはなかったのか?」

三日月「おぬしたちに背負わせるわけにはいかん。ただ山姥切、おぬしなら理解できるやもしれぬと思った。煤けた太陽よ…おぬしなら…刀剣に込められた物語を超えて、この時のゆく道の翳りを照らすことができるのではないかと」

山姥切「…なにを考えている?」「あんたは、なにと戦っているんだ?」

三日月「…いずれ、わかるときが来る。そのときが来るまでは、俺は円環を巡り続けよう」

三日月「だが、こうも思う。山姥切よ、おぬしならこの終わりなき円環を断ち切ってくれるのではないかと…矛盾している…ははは。心とは、複雑怪奇だな」

三日月はなにとなにが矛盾していると言うのか?

現代文の授業みたいに解説すると、

 ・おぬしなら~できるのではないか

 ・おぬしなら~くれるのではないか

『おぬしなら』から始まるこのふたつの内容が、接続詞『だが』によって逆接の関係になっている。(おぬしなら刀剣に~の文章は、おぬしなら理解~について追加説明をしている)

つまり、三日月のいう矛盾とは

【道の翳りを照らす ⇔ 円環を断ち切る】

となる。

三日月いわく、

未来を繋げたい/皆に背負わせるわけにはいかない/ただ山姥切ならできるかも

ということなので、『未来を繋げる』を山姥切ができるかもしれないと言っている。

すると、

【この時のゆく道の翳りを照らす】=【未来を繋げる】ことだと解釈することができる。

ならば、その逆を意味する円環を断ち切るとは何なのか。

維伝の鶴丸の「三日月(仮定)を引っ張りだしてやる」とは異なる行為なのか。

【未来を繋げる】の真逆を考えると、円環を断ち切る=三日月に死を与える(刀剣なので表現が難しいが)というイメージに近い気もする。

 

ここで疑問なのが、なぜ三日月は『いずれわかるときが来る』ことを知っているのか、ということ。

山姥切が/(三日月が何と戦っているのか)分かる時まで/円環を巡る

という、期限付きの円環なのである。

三日月はまだ円環を抜けられていないのに、このあとすぐループして虚伝に戻るはずなのに、円環の終わりを知っているのは何故だろうか…

 

 

■三日月の気になる言動

三日月「山姥切、探したぞ。今までどこにいた」

山姥切「どこにって、不動を案内しろって言ったのはあんただろ?」

三日月「ああ、そうだったな。ははは」

虚伝でのとぼけた様子。ループしているため日常が曖昧になっているのかもしれない。

 

三日月の立案で、明智光秀の名前で亀山まで使いを出した。

⇒ループするうちに、歴史の軌道修正を三日月ができるのようになったのではないか

 

「だが本丸には戻ってこれたのだ。事なきを得てよかったではないか」

「だが本丸には戻ってこれたと聞いたぞ。事なきを得てよかったではないか」

虚伝(初演)では序伝時に本丸に居たことになり、

虚伝(再演)では序伝のあとに本丸に顕現したことになる。

序伝のラストに骨喰が顕現した三日月を迎えにいくが、三日月の姿を見ても「…あんたは?」「誰だ…?」と、思い出さない。

序伝から帰ったあとに三日月が顕現したととれるので、序伝は虚伝(再演)と繋がるとしっくりくる。

 

また、義伝において関ケ原の時間が繰り返されるときに、三日月だけが不自然に手を震わせているのも気になる。三日月自身が円環にいることの副作用なのだろうか。

 

「…主はこの本丸が心配か?なに、少々難題を抱えている者もいるが、皆よくやっている。戦い、傷つき、そして強くなる。山姥切も随分近侍らしい顔になってきたからな。ん?俺か?俺は見ての通り、のんびりやらせてもらっている。主はじじいも心配してくれるか。それはありがたいことだ。はははは。…だが、戦いはまだまだ続く。歴史を守るため、これらも頑張らねばな」

「だが永禄の変で、俺は使われることはなかった。守りたくも守ることができなかった。そして今、俺は在りようを変えて歴史を守るための刀となった

「だから、俺は戦うのだ」 

燭台切「刀を交えてみてわかったんだ。彼もまた、なにかを守るために戦っている」

そのまま当てはめれば、

三日月は/歴史を守るために/歴史を変えようとするものと/戦っている/ことになるが、そのためには円環を巡り続けなければならないのだろうか。

いずれわかる時がくる、っていつなんだ…。

 

「主よ、この本丸はもっともっと強くなるぞ。どんな試練にも立ち向かうことのできる強い本丸となる。もし叶うなら、それを見届けたいものだ

三日月の失踪自体が試練(後述)なので、見届けることができないのか? 

 

鶴丸「…三日月は、山姥切の心配ばかりで大変だな」

三日月「…ん?俺は、皆のことも、そしておぬしのことも心配しているぞ。はははは」

 

「歴史を改変することなど不可能ではないのか?」

「もしおぬしが歴史に抗うことができれば、俺が過ごした時間も無駄ではなかったのかもしれない」

歴史改変が可能ならば、こちらもがんばって歴史を守っている甲斐がある、ということなのか(単純)

本当に歴史改変が不可能ならば、刀剣男士など必要なくなってしまう。

 

「…俺はまだあそこで折れるわけにはいかなかった。やらねばならんことがある。それに、山姥切と約束があるからな」

三日月がやらねばならんこととは何か?

悲伝において、三日月が本丸を去ってからやったことは

・骨喰と大般若と会話

足利義輝と鵺と会話

大包平と鶯丸と戦う

・刀剣男士皆と戦う

・山姥切と一騎打ち

・約束を交わす

である。この中で、三日月がやらねばならんことは何だったのだろうか。

山姥切との一騎打ちか?約束を交わすことか?それをやると何の効果をもたらすのか。

何度も一騎討ちを繰り返して山姥切を鍛えることが三日月の目的なのだろうか。

 

小鳥丸「これが円環の中で身につけたお前の力…もはや刀剣男士をも超えたか三日月宗近よ」

刀剣男士をも超える、とは一体どういうことなのか。三日月は刀剣男士ではなくなったのか。

 

 

■三日月ループ中の初回発生イベント

⑴遠足+どんぐり拾い

「はて、俺もそろそろ耳が遠くなったか。遠征の聞き間違いか?」

「打たれてから長くこの世に在るが、遠足というのははじめて経験する」

⑵黒甲冑に鶴丸がとりこまれる

「…さすがの俺もこれは驚いた」

(歌仙検非違使か?」三日月「いや、そうではないだろう」と即答しているため、三日月は黒甲冑に何度も出会ったことがあると推測)

⑶鵺の出現

 

 

■序伝の敵

小夜「時間遡行軍は、わざと僕たちを散り散りにしたように見えました」

同田貫「俺たちを分断してひとりずつ仕留めていくつもりだったんだろう。敵の罠にまんまと引っかかっちまったってわけだ」

小夜「戦略が周到すぎます」

山姥切「主の命により遠征へと赴いた俺たちは、そこで、時間遡行軍による奇襲にあった」

山姥切「主が言うには、敵は干渉すべき時代を導き出すためにあらゆる時代に調査部隊を送っている可能性があるということだ」

これらは全て官兵衛の仕組んだことなのだろうか?

 

黒田の陣にて序伝の長谷部、小夜、骨喰が如伝の山姥切と山伏に鉢合わせるシーンのあと、スーッと襖をあけて通り過ぎていく時間遡行軍のシーンがあった。

一見笑えるシーンとして流してしまいがちだが、よく考えると時間遡行軍の動きが不自然である。

この時間遡行軍とばったり出会ったあと、長谷部たちは追いかけ、その追いかける姿が黒田の兵に見つかり、秀吉と官兵衛に捕まるという流れになる。長谷部たちを連れ出すための誘導だったとしても、おかしくはない。

 

刀剣男士たちが本丸に帰還したあと時間遡行軍の干渉反応は消え、遡行経路が封鎖される。

 

 

■虚伝の敵

一期「この時代の敵に手こずるなんて」

鯰尾「様子がおかしいね」

山姥切「…主に報告したところ、時間遡行軍の動きにより、我が本丸の管轄する時間軸において、なにか変事が起こりつつあるようだ」

鯰尾「おかしいな。歴史資料によれば、本能寺の変の前日に開かれたお茶会に、光秀がいたという記録はない」

小夜「歴史が変わりはじめている…」

鯰尾「いつもならそれを事前に阻止するのが俺たちの任務だけど」

小夜「うちの本丸は厄介なことを押しつけられたみたいですね」

 

悲伝の黒甲冑が言っていたことが、虚伝でも起きているのだろうか。

「縺れた時の流れが、不規則な現象を生んでいるのだ。ここでは起きるはずのないことが起こり、在るはずのないものが在る…この時間軸は狂っている」

 

 

森蘭丸明智光秀

初演では、織田信長から不動行光を貰って上機嫌である。

蘭丸「わあ、なんて立派なこしらえだ」

光秀「ほとほと左様に頬をほころばせて如何した。なにかめでたいことでもおありかな?」

再演時は、織田信長から不動行光を貰って不吉な予感を感じている。

光秀「物思わしげな顔で如何した?なにか心配事でもおありかな?」

蘭丸「なにか、上様の形見をお分けいただいたようで、妙な胸騒ぎがしてならないのです」

 

光秀「生きているうちにあと幾度椿を拝めることか」

蘭丸「何をおっしゃいます。幾度でもご覧になされればよいではありませぬか。椿は武家においては縁起の悪い花とされております。でも、私は嫌いではありません。美しい花を見ていると心が落ち着きます」

光秀「花を嫌いな人間などおらん」

 

蘭丸「椿は武家においては縁起の悪い花とされております。私は、あまり好きではありません

光秀「花に罪はない」

蘭丸「しかし、良くない兆しを思わせます」

光秀「良くない兆しとな?」

蘭丸この本能寺でなにか悲しいことが起こるような…

再演ではまるで、未来でも見てきたかのような物言いをするのである。

戯曲にはこう書かれている。

 ー蘭丸は、燃え挙げる本能寺を見て違和感を覚える。その情景に見覚えがあるのだー

体験していないのに知っている現象が起きている。

 

前提として、初演は1回目の虚伝であり、再演はn回ループした後の虚伝である。

OP曲が終わったあと、「刀剣乱舞!」と皆が構えるシーンで後ろに映し出される『舞台 刀剣乱舞』のロゴが、初演は回転なし、再演は2.5回転するからである。

 

蘭丸「私は…上様をお守りしなければならない…邪魔する奴は…死ね!」

蘭丸「私は…今度こそ上様をお守りしなければならない…邪魔する奴は…死ね!」

再演で今度こそ、と森蘭丸が呟くのも体験していないのに知っている現象

 

ちなみに蘭丸は初演と再演では違う花を手に持っている。

初演は紫陽花、再演は桔梗。

明智光秀の家紋は『桔梗紋』であったことから、明智光秀の謀反に対する不安感を示唆しているのかもしれない。

 

 

■義伝の円環:一八三重強化改変隊

義伝の中には、原作ゲームにはない『一八三重強化改変隊』という敵が出てくる。

183回、出陣を重ねた時間遡行軍である。

関ケ原の戦い

⑴一幕の冒頭

⑵二幕の出陣

⑶二幕の出陣(歌仙と大倶利伽羅が捕まる回)

⑷二幕の出陣(ここで決着がつく)

と繰り返される。

義伝は全46公演上演されたので、4回出陣×46公演=184回出陣

なのだが、大千秋楽184回目のタイミングで撃破されるので、

敵部隊は『一八三重強化改変隊』となる。

 

義伝の円環のループの記憶は、

⑴ループ意識なし

⑵ループ意識なし

⑶三日月が円環に気付く

⑷全員ループの記憶あり

である。

悲伝の三日月の円環の場合は、三日月本人しかループの記憶がなさそう。

山姥切や宗三、燭台切、骨喰など怪しい発言をする刀剣男士もいるが…。

 

鶴丸「…同じ戦場、同じ敵、代わり映えのしない戦い…驚きが足りんなあ」

 ↑これは関ヶ原の円環の記憶がありそうなセリフ

太鼓鐘「なんでだよ?政宗様は関ヶ原の戦いにはいないはずだろ!なのになんで!?」

 ↑これは記憶なさそう

倶利伽羅「…来たか、伊達藤次郎正宗…」

 ↑これは記憶がありそう

 

伊達政宗「…お前がいないのであれば、天下を取ったとて意味はなかろう」

歌仙「陽が昇る。暁の刻が明けるんだ」

 ⇒天下取りを断念。改心することにより円環解除

 

円環の解除方法は、円環の起点となっている執念がなくなること、のようだ。

三日月伊達政宗の天下への執念が生んだもの…その執念が、繰り返される時間の起点となっている可能性はある」

三日月「なぜ時間が繰り返されているのか、時間遡行軍の目論みがなんなのか、それを突き止めねばならん」

⇒これができれば三日月も円環から引っ張りだすことができるのか?

 

三日月「政宗は家康を討ち、≪徳川による天下統一≫という強い歴史を改変するために利用されているのかもしれん」

 

 

■黒甲冑

黒甲冑「我はぬし(=伊達政宗)が心の現身なり」

倶利伽羅「あの黒甲冑が付喪神だというのか?」

三日月「憶測の域は出ん。だが我らも刀剣から人の身を得た。甲冑の付喪神とて、有り得ん話ではない」

山姥切「天下を欲した政宗の心が、時間遡行軍によって利用されたものと推測される」

人の執念は利用されるのである。つまり、黒甲冑も鵺も坂本龍馬も、だれかによって利用された存在だと考えられる。

 

黒甲冑命が下りた…作戦を決行する…あらゆる時代へと、やつらをおびき出すのだ」

いったい誰から命が下りたのか?

黒甲冑には上司にあたる人物がいるのか。

それは時間遡行軍山姥切かもしれないし、黒甲冑が仕えている歴史修正主義者なのかもしれない。

 

足利義輝とは結ばれた縁がある。政宗の父、輝宗の名は義輝から授かったもの。その縁に導かれでもしたか」

「我が願いはひとつ。伊達政宗を天下人に。歴史とは繋がり合う因果だ。義輝の歴史を改変すれば、因果の巡りが伊達政宗を天下人へと押し上げる。そしてその因果は、これより遠き未来へと繋がっていくのだ」

 

「弱い…それでもこの伊達政宗の刀か!天下を目指し共に戦った俺の刀か!」

甲冑が伊達政宗本人として振る舞うさまは、朧の伊達政宗といっても過言ではないかもしれない。 

 

「縺れた時の流れが、不規則な現象を生んでいるのだ。ここでは起きるはずのないことが起こり、在るはずのないものが在る…この時間軸は狂っている。その狂いが、俺を再びこの戦いに呼び寄せたのだ」

これは、悲伝だけの話ではない。

たとえば、如伝で夏に雪が降っていたり、悲伝で旧暦の五月に桜が咲いていたり。

義伝のラストに、刀剣男士たちが伊達政宗の死に際を見にいくシーン。

戯曲には

 ー傍らには、史実では既に没しているはずの景綱の面影を持つ老家臣が座しているー

とある。

片倉小十郎景綱は本来いるはずのない存在。

敵は倒したのに何故正史とは異なっているのか?

 

山姥切「本来なら、たとえ同じ時代に遡行しようとも、時間軸がずれるために過去に出陣した自分たちと出くわすことはない」

山伏「なんらかの事情で過去の出陣と今回の出陣が重なっているのだな?」

山姥切「一期たちが大阪冬の陣に出陣した時、敵が強くなっていたことがある。のちに主は、敵は同じ時間軸を繰り返して俺たちとの戦いに対して経験値を積んでいるのではないかと予測した。前に三日月たちが関ヶ原に出陣した時も、時間の円環の中に閉じ込められたと聞いた。敵による歴史干渉が、時間の流れを狂わせているのかもしれない」

山姥切「これは、本能寺の時と同じ…お前たちもまた強くなっているんだな」

如伝のこれらも、黒甲冑のいう『ここでは起きるはずのないことが起こる』事例なのかもしれない。

刀ステの時間軸は狂っている…。

 

 

黒田長政

長政「生きろ…生きてさえいれば必ずまた会える。約束じゃ

この”約束”という言葉は、悲伝の三日月が言う”約束”と同じ意味合いなのだろうか。

つまり、約束をすることで何らかの効力が発揮されるのだろうか?(たとえば円環の発生、とか)

 

 

■弥助からみるジョ伝の時間の流れ

弥助が本能寺の変で見た刀剣男士の回想で、スクリーンに映っていたのが健人。再演の虚伝を弥助は見ている。

(豆知識)弥助はオリジナルキャラクターではなく、織田信長に献上された黒人奴隷として実在した。

 

弥助の目線になってジョ伝を考えると、黒田と刀剣男士の時間の流れる方向が分かりやすいかもしれない。

 

弥助が虚伝の刀剣男士を目撃(本能寺の変1582年)

「私ハ、本能寺ノ変ノ生キ残リナノデス」

 ↓

刀剣男士の生態調査、九十九刀入手(8年経過)

 ↓

弱い山姥切(序)と出会い戦う(小田原征伐1590年)

 ↓

強い山姥切(如)が助けにくる

「ナルホド。コレカラ起コルコトヲ知ッテイルトイウワケデスカ」

 ↓

博多たちの増援により一旦逃げる

 ↓

長谷部、山姥切、山伏(序)と戦い、逃げる

 ↓

山姥切(序)が弥助を追ってくる

今ノアナタデハワタシニ勝ツコトハデキマセン」

 ⇒2振りいる山姥切の両方と戦い、強さを把握したため山姥切(序)を"今ノアナタデハ"と表現している

 ↓

山姥切(序)たちが負けを認め逃亡

 ↓

「申シ訳アリマセン。アト一歩ノトコロマデ追イ詰メマシタガ、取リ逃ガシテシマイマシタ」⇒序チームを取り逃がしたことを報告

「ソレガ、ヒトツ気ニナルコトガ」⇒如チーム(=助伝)が居残っていることを報告

 ↓

山姥切により九十九刀を折られ、敗北

 

長谷部「生きてまた会おうとあの時交わした約束、こうして果たせたことを嬉しく思います」

長政「それは、私にとってはこれからそなたと交わす約束なのであろうな」

長政の時間は未来に進む。

長谷部自身が体感する時間経過は序→如だが、それは本来の時間の進み方には当てはまらない。如伝でさらに過去(序伝より昔)に出陣しているので、長谷部の時間は過去に進む。二人の時間の進み方は逆方向となる。

維伝パンフの出陣表は人間の時間の進み方とは別物なので注意。

 

友信「どうしてもあの槍がほしい!あの槍とは、少々縁がございましてな」

恕伝の戯曲にはこのように書いてある。

 ー回想 文禄2年(1593年)

  友信の脳裏には、如伝で交わした日本号との言葉がよぎる。

  それは友信にとっては過去に、日本号にとっては未来で交わし合う縁であるー

小田原征伐(ジョ伝)が終わったあと3年後、友信は日本号を入手するのである。

 

 

■ジョ伝の疑問

如伝の自分たちが序伝の自分たちを助けられたなら、維伝で文久土佐を助けられないのだろうか?

染谷が言うように、改変される前に出陣すればいいだろう、と思ってしまう。

文久土佐で6振が折られる前に出陣すれば刀剣男士を生かすことができ、歴史改変を防げるのでは?

無かったことにならないなら、序伝の敗北した世界も無かったことにならず、放棄された世界になるのでは…。

山伏「なんらかの事情で過去の出陣と今回の出陣が重なっているのだな?」

山姥切「敵による歴史干渉が、時間の流れを狂わせているのかもしれない」

博多「そのせいで、時間軸の重なりが生じてしもうたと?」

ジョ伝では奇跡的に「出陣が二重に重なったから」成し遂げられた救出なのだろうか。

 

博多「もし、過去の山姥切しゃんたちがやられたらどげんなると?」

長谷部「ここにいる俺たちも消えるかもしれん」

 

 

■鵺

刀剣男士がレベリングするのと同じように、あらゆる出陣先へと出没する鵺。

鶴丸「驚きだな…こいつから感じる気配…」

骨喰「…いくつもの、刀の気配だ…」

大般若「いくつもの刀だと?」

鶴丸「俺たちがあの敵と交戦したとき、奇妙な気配を感じた」

骨喰「俺も感じた。複数の刀の気配だ」

鵺の気配を感知するのは鶴丸と骨喰、三日月である。大般若は感知できていない。

三日月「おや?…この気配は…おぬし、いくつもの刀から成っているのか」

 

三日月「物には心が宿る…だが、何振りもの刀から成るおぬしは、心が絡まりあっているようだな」

三日月「おぬしは歴史に存在するはずのない刀といえる…歴史の異物か」

黒甲冑「名もなき刀よ…道半ばで果てた義輝の無念がお前の力となる。その心がお前に宿り、強さとなるのだ」

鵺も、その心を利用され誰かに顕現された存在。

 

 

■大きな試練

山姥切「以前、三日月が言っていたんだ。俺たちはいずれ、大きな試練に立ち向かうことになると。三日月は、このことを言っていたのか…」

小鳥丸「山姥切国広よ。これ三日月宗近の言う大きな試練であるならば、皆で立ち向かえばよい」

一見、本丸襲撃のインパクトが大きすぎて、”大きな試練”とは本丸襲撃のことだと考えてしまう。だが、そうではないように思う。

本丸襲撃が終わったあとに小鳥丸が立ち向かうと言っていることから、”大きな試練”は本丸襲撃のことではなく、三日月の失踪自体を指していると推測される。

三日月が結いの目になって本丸を襲撃されるのは二次災害のようなものであって、数回ループした程度では結いの目はできず、本丸の場所を敵に見つけられることもない。つまり、2〜3回のループでは本丸襲撃は起こらなくても三日月だけが失踪するのだ。

 

 

■慈伝のメモ

聚楽第出陣メンバー:長谷部、鶴丸同田貫、山伏、大般若、博多

 

鶴丸「遠征任務だ」長谷部「これから幕末の調査に向かう」

東京公演:長谷部、鶴丸 (小夜は不参加)

大阪公演:長谷部、鶴丸、骨喰

神戸公演:長谷部、鶴丸、不動

凱旋公演:長谷部、鶴丸、歌仙

小夜だけ幕末の調査に向かわないのは、今後なにかのきっかけになるのだろうか…。

 

 

武市半平太

「龍馬、戻ったか。いや、おんしから始まったと言うべきか…坂本龍馬

「龍馬…やはりおんしは斬らんといかんかったんじゃ」

「龍馬…これはおんしが始めたんじゃ…おんしが」

維伝の中で、武市は何度も龍馬を殺そうとする。武市はこの改変された文久土佐が龍馬によって作られたものだと知っている

ならば、なぜその龍馬を殺そうとするのか?

推測だが、何者かに心を利用されていると、武市は自覚していたのではないか

つまり、顕現技術を応用し実験されているという自覚があるから終わらせなければならない(=龍馬を斬る)という意識があったのではないか。

 

「こん刀の先には人がおる。こん国の未来を生きる人々じゃ!わしの刀はそん人々のためにある刀じゃ」

武市の刀であった南海太郎朝尊も似たようなことを言う。

 

陸奥「南海先生、その体はどうじゃ?」

南海「それなりさ。元々僕たちは、人間に使われるための形態をしていた。だからそう、ちょっとした延長線上さ」「刀の延長線上に人間がいる

陸奥「なにを言う、人間の腕の延長が刀じゃろう。おんし面白いことを言うのう」

南海「自分が人間ではないことに、自覚的なだけさ」

小鳥丸「なるほどな。南海太郎朝尊は刀であることに自覚的ということか。われらは主により顕現してかなりの時を経ている。既に刀であった頃の感覚より、この身を得てからの感覚のほうが強いのかもしれんな」

鶴丸「刀の延長線上に人がいる、か。ある意味、今の俺たちだな」

南海「歴史を守るのは、我々の本能だね」

ここの解釈はとても難しいのだが、

この国の未来を生きる人々のためにある刀=人の歴史を守るためにある刀=刀は歴史を守る存在=南海先生は自分が歴史を守る存在であることに自覚的=刀は歴史を変える存在(=人間)ではない=僕たちは刀だよ(=歴史を変える存在ではないよ)=歴史を守るは刀の本能

といったところかな…。日本語って難しい。

 

 

吉田東洋

「この改変された歴史を正史へと侵略させるのじゃ」

南海先生の説明は正しいことが証明される。

一度刀剣男士に勝っただけでは正史は変えられないようだ。

 

吉田東洋に折られた刀剣男士。舞台下手側から

日本号母里友信)恕伝

骨喰藤四郎(足利義輝)悲伝

山姥切国広(長尾顕長)外伝

陸奥守吉行(坂本龍馬)維伝

倶利伽羅伊達政宗)義伝

宗三左文字織田信長)虚伝

 

これだけ刀ステのキーマンになる刀剣男士が揃っていて、関係ない別本丸の刀剣男士なんてことがあるだろうか…。

三日月のループの中で実際にあった失敗ルートなのか、それとも別時間軸なのか?

この情報だけでは推測できないので、今後の展開に期待。

 

 

坂本龍馬

陸奥守たちが出会う朧の龍馬は、史実とは異なる点が多くある。

「ほんまは才谷梅太郎いう名を気に入っちゅーがやけんど、こん土佐で才谷屋は有名やきね」

この時代の龍馬は、史実ではまだ才谷梅太郎という名を名乗っていない。また、この時代の龍馬はまだ銃を所持していないはずである。

 

「こんなところで死なせるわけにはいかんのじゃ」

龍馬は、武市半平太が死すことを未来予知するのである。

無意識のうちに、まるで未来でも見てきたかのような物言いをしてしまう現象が森蘭丸にも、そして山姥切国広にも起きている。

 

南海「ところで、本能の話を覚えているかね?ここには壊れた銃が落ちている。案外、答えはそういうことかもしれん」

そういうこと、の意味はさっぱり分からないが…。朧の龍馬の本体は、龍馬の銃なのではないだろうか。

黒甲冑が天下への執念をもとに具現化したように、鵺が足利義輝の想いをもとに生まれたように、坂本龍馬の『武市と以蔵を死なせたくない想い』をもとに銃を顕現させたもの、と推測する。

そして、残ったのは壊れた銃である。銃が壊れた理由は、陸奥守が朧の龍馬を斬ったから。結果的に本体である銃が壊れた(銃が斬られた)のだと考える。

 

 

岡田以蔵

南海「端的に言えば、偽物、というやつだね。体を構成している物質的成分は、時間遡行軍のようでもある。僕の罠が作動したのがその証拠だ。だが彼はどちらかというと僕たち刀剣男士に近いようだ。彼の体の構築には恐らく顕現技術が応用されている。刀剣男士のなりそこない…いや、魑魅魍魎の類か」

鶴丸これではまるで実験だな」

南海「実験か…。それは当たらずとも遠からず、といったところかな」

南海「この高知城下町に隠されているのか。それとも、本体などどこにも存在しないのか」

義伝で伊達政宗が時間遡行軍に利用されたと推測された件、これと同じ原理で実験に利用されているのではないだろうか。

本体となるのは伊達政宗の甲冑、坂本龍馬の銃である。

そして利用されたのは伊達政宗の天下への執念、坂本龍馬の仲間を救えなかった後悔。

伊達政宗坂本龍馬は、明確に歴史を改変しようという意思があったわけではなく、どちらかというと無意識である。

時間遡行軍(=山姥切や、同じ状態の刀剣男士かもしれない)に、物語を提供する側の歴史人物(伊達政宗坂本龍馬)が利用され、

実験されているのではないだろうか。そして物語を食わされている。

利用される側の人間だからこそ、武市が『斬らんといけんかったんじゃ』という実験から逃げようとする意識を持つのかもしれない。

 

 

■時間遡行軍山姥切

「おくれ…物語をおくれ…」(舞台上には武市のみ)

「おくれ…おくれ…物語をおくれ」(舞台上には以蔵のみ)

「物語をおくれ…もっともっと…物語を」(一幕ラスト)

「物語をおくれ…坂本龍馬の物語を」(舞台上には龍馬と陸奥守)

「強くなってくれ…もっと強く…お前はこの物語に必要な刀だ(VS鶴丸)

「まだ足りない…もっと沢山の物語をおくれ…

織田信長の物語(虚伝)

伊達政宗の物語(義伝)

黒田官兵衛の物語(ジョ伝)

足利義輝の物語(悲伝)

坂本龍馬の物語(維伝)

もっと強い物語を…そしていつの日か…三日月宗近…お前を救い出してみせる

 

『物語をおくる』とは一体どういうことなのか分からないが、鶴丸の言っていた物語を食らって強くなると同じ意味なのではないだろうか。

 

鶴丸「俺たちは、物に込められた心から励起される。物語は刀剣男士を強くする。この文久土佐は陸奥守にとって絶好の物語というわけだ」

鶴丸坂本龍馬の物語は陸奥守に譲るが、ここにある物語は俺たちのものだ!俺たちはこの物語を食らって、もっと高く飛ぶのさ!」

 

鶴丸いわく 物語を食らう→強くなる

時間遡行軍山姥切いわく 物語をおくる→強くなる

 

強くなる方法が仮に同じなのであれば、

物語を食らう=物語をおくる

ということにならないだろうか。

 

『時間遡行軍山姥切』が/実験台として用意した魑魅魍魎の類=『偽物』に対して/坂本龍馬の物語をおくれ=『刀剣男士に物語を食わせろ』

といっているのではないだろうか。

この世界では(維伝に出てきた山姥切のような)刀剣男士が、時間遡行軍を生み出しているのか。 

 

陸奥「歴史を守るは刀の本能。本能か…やったら、歴史を守らん刀は刀やないゆうことか…わしは刀じゃ」

山姥切国広は歴史を守らないから、時間遡行軍の姿になっている、ともとれる。

 

 

■刀ステ本丸の近侍

山姥切(序伝)→長谷部(?伝)→三日月(?伝)→山姥切(虚伝~慈伝)→長谷部(維伝)

 

小夜「長谷部さんはどうして近侍になりたいんですか?…どうして、ですか?」

長谷部「…ふん、誰が言うものか」

外伝での会話。長谷部が主大好きキャラだから…以外にも、なにやら言いたくない理由がありそうな口ぶりである。

序伝のあと山姥切が近侍を外され、長谷部に変わった時、序伝の次の出陣(維伝パンフで消されていた場所)がこれに関係ある話なのかもしれない。

 

 

■維伝パンフ

山姥切が、悲伝の結いの目で見た歴史は8つである。

源義経の歴史

豊臣秀吉の歴史

織田信長の歴史(映像)→虚伝上演

伊達政宗の歴史(映像)→義伝上演

黒田官兵衛の歴史(映像)→ジョ伝上演

徳川家康の歴史

沖田総司の歴史

坂本龍馬の歴史→維伝上演

 

維伝パンフに載っていた時系列で、消された出陣は4つある。

そして、まだ刀ステで上演されていない話は上記4つ。

消された出陣を今後上演していくのだろうか?

 

2020.6.1更新 ⇒ 綺伝が発表されたのでこの限りではなさそう

 

■余談:歌わない刀剣男士

歌ってない刀剣男士は『悲伝EDの三日月』と『維伝OP/EDの全員』である。

これについては判断材料がないので分からないが、それぞれ同じ理由をもつ刀剣男士が歌わないと考えられる。(たとえば正史の刀剣男士だけ歌わない、とか)

今後に期待。

 

 

以上です!思いついたこと語ろうと思ったらとんでもない長さになってしまいました。

どれだけ考えても私には刀ステが理解できません…が、刀ステ好きな人が見直すきっかけになったり、さらにハマってもらえたら嬉しいです。

鈴木さんの三日月宗近と荒牧さんの山姥切国広が、いつかまた刀ステで再会できますように。